肥料の種類と使い方

植物の栽培において、「肥料」は欠かせないポイントです。よい土を選び、水やりの加減もよく、根が健全に育った上で、さらに適切な施肥をすることで、元気な植物が育ちます。

植物に必要な元素は30種以上もあるといわれますが、その中でことに必要量が多く、土中に不足しやすいチッソ、リン酸、カリを、肥料の三要素と呼びます。カルシウムも加えて四要素とする場合もあります。これらは肥料として補わなければなりません。

このほか、鉄、マンガン、ホウ素などは生育に欠くことのできない元素ですが、これらはごく少量でよく、一般に自然界にあるもので間にあいます。三要素と植物の生育との関係は次の通りです。

チッソ

主に葉や茎の生長に役立ちますが、多すぎると、茎葉が軟弱になり病虫害を受けやすくなります。

リン酸

根、茎、葉の発育をよくし、成熟を早めます。不足すると生長が悪くなり、果実類は味が落ち熟期が遅れます。

カリ

葉や茎を丈夫に病虫害に対する抵抗力をつけます。

速効性肥料と緩効性肥料

肥料にはすぐに効きめのある「速効性肥料」と、肥効が長続きする「緩効性肥料」とがあります。一般に元肥には緩効性、追肥には速効性のものが用いられます。

ただ、観葉植物やらんのように、生育期間の長いものは、追肥に緩効性の肥料を使うこともあります。

家庭では複合肥料を

また、肥料には一元素だけからなる単肥と、三成分や微量要素を合わせもった複合肥料があります。家庭では各成分がバランスよく含まれた、複合肥料が安全で使いやすいでしょう。主な肥料は次の通りです。

化成肥料

三成分を適当に含み、特にチッソの多すぎないものを選びます。各成分の含有量が少ない方が失敗しにくいとされます。

ハイポネックス

速効性の液体肥料。水やりのかわりに、1000~1500倍液を与えます。従来のものはカリ分が多かったですが、現在はいろいろなものが市販されています。

マグァンプK

リン酸分の多い緩効性粒状肥料。元肥として土に加えると半年~1年肥効があります。

油かす

効き出すまでに2~3週間かかりますが、肥もちがよく(約3~4週間)、肥やけも少ないです。室内では悪臭の心配があるものの、発酵、乾燥させた団子状のものは扱いやすいです。途中ではえるカビは分解をはじめたためで、心配ありません。

※これらの肥料は、薄めに回数多く与える方が安全です。土が乾いているときは、一度水やりをしてからやりましょう。